秋の味覚のひとつとしても挙げられ、スイーツにもよく登場する栗。美味しいけれど、イガや皮などがあり、中の実を食べるまでになかなか手間がかかるものです。山を見ると、わりとよく生えており、身近にもたくさんあるので、花から結実までを追っていました。
北海道だと7月に入る頃に花が咲いています。花の咲き始めに香るニオイが特有なので、敏感な人はすぐに気づくと思います。遠くから見ると、白い紐のようなものがたくさん下がっている感じで、いわゆる花のイメージとは違いますね。
もっと近づいてみると、花びらはなく雄しべがたくさん出ているのが見えます。これがふわふわの紐のように見えたわけです。
ニオイに誘われているのか、とにかく虫が集まっていました。多くはアリとハチ。これらが受粉の役目を担っています。
よく観察してみると紐(花穂)には2種類あったことに、今年初めて気づきました。右側の花穂は雄花だけ。左側の花穂には、右に比べ少なめの雄花と雌花がふたつ付いています。右側の花穂は、ほどなく・・
残るのは花穂の元に雌花を付けた方だけです。栗の花が特有のニオイを放つのは、咲き初めの頃の数日だけ、後はニオイがしません。短い花期ゆえ、一斉に虫たちを呼び寄せているのでしょう。
虫たちが歩いたり、飛び回って受粉出来た雌花が、夏の間少しずつ大きくなり、トゲトゲも固くなり・・・
花の頃の名残が、今でもちゃんとわかります。
栗の花のニオイは特有で、あまり近づかなかったため、気づけなかったことが、今年初めて知ることが出来ました。今年は栗のおいしさに、深みを感じられそうです。
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