(Candy the Polar Bear)
2024年4月26日(金)午後、豊橋総合動植物公園のホッキョクグマ、キャンディ(メス/31歳)が亡くなったとのこと。31年と半年弱の生涯のうち、8年間は円山動物園で過ごしており、その期間は毎日のように会っていたこともあり、思い入れも深く大好きなホッキョクグマで、訃報にはとても驚きました。死因については触れられていませんが、30歳を超えてまで元気そうに過ごしていた姿を見るにつけ、キャンディらしく年を重ねてこられたことに、感謝とお疲れさまの気持ちをおくります。
豊橋総合動植物公園のんほいパークHP ホッキョクグマのキャンディが死亡しました
キャンディに初めて会ったのは、2011年3月8日。当時は、ホッキョクグマ繁殖プロジェクトと銘打った、大幅なホッキョクグマの移動が行われ、キャンディの移動もその一環でした。円山動物園も「ホッキョクグマの繁殖基地を目指す」などと言われていた時期でもあり、とても話題になっていたことを思い出します。
1992年11月2日(月) ヴッパータール動物園(ドイツ)生まれ 父Boris 母Nina
1994年5月22日(日) 豊橋総合動植物公園に来園
2011年3月 8日(火) 札幌市円山動物園へ移動(ホッキョクグマ繁殖プロジェクトによるBL)
2012年12月30日(日)午前11時19分、初出産(1頭死産、1頭数時間後死亡)
2013年11月6日(水)より産室に収容されましたが、出産には至らず
2014年12月5日(金) 8時42分頃、1頭を出産(死産)
2015年11月23日(月) 14時37分頃、1頭出産するも後に死亡
2019年3月20日(水)豊橋総合動植物公園へ移動
2024年4月26日(金) 永眠
キャンディは来園して程なくしてから、毎年のようにデナリとの繁殖に挑戦していましたが、残念ながら叶いませんでした。2014年の春には、デナリ(オス)がララ(メス)とキャンディ(メス)のどちらとも同居をし、どちらともと交尾をしたという、デナリフル活躍の時代もありました。
写真は、そんな頑張っていた2014年春のキャンディ(左)とデナリ(右)。デナリは2023年9月5日に他界し、2頭ともいない今をとても寂しく思います。
(左キャンディ、右デナリ、飼育員さんが持ってきた玩具にロックオン状態のデナリ)
ホッキョクグマは容姿が美しく、知能も高く、愛嬌もあり、観ていて楽しく、興味深い存在です。そんなホッキョクグマ3頭が織りなすクマ模様に触れることが出来た2014年時代を、本当に懐かしく思い出します。今から10年前のことです。ホッキョクグマたちも私自身も年を重ねているわけです。
2016年以降は、デナリと同居することもなくしばらく独り暮らしが続いていたキャンディ。このまま円山動物園に滞在するのかなと思ったこともありました。
プールで豪快に遊んでいたキャンディ。20歳を過ぎても元気いっぱいに遊んでいました。投げ技が得意で、特に遊びのフィナーレは玩具を投げ飛ばして、幕を下ろしていました。
冬になれば、雪穴掘りからトンネル作成まで、ユニークな技もたくさん見せてもらいました。キャンディにも、ホッキョクグマ館へ入居してもらえたらいいなあと願ったこともありましたが、2019年3月には、実家の豊橋へ帰ることなりました。
キャンディ(右)が豊橋に帰る頃には、以前の住人チャッピー(オス享年24歳)は不在となり、クッキー(左/メス)と2頭暮らしというスタイルに。
8年も豊橋を離れていたのに、すぐに仲良くなれるものなのかと思えば、帰還してすぐには互いに距離があったとのこと。それがある日、猛烈なゲリラ豪雨に襲われ、ガォガォ吠えていたことがあったそうで、その日を境に2頭の距離はぐっと縮まり、以前のような仲良しになったそう(飼育員さん談)。まさに雨降って地固まるだったキャンディとクッキー。
円山時代では「ニンジンが好き」と言われていた頃もありましたが、豊橋に帰ってからは、ニンジンは全く食べなくなったとか。いつも「好き」とは限らない嗜好性。これは人間にも言えますね。
26歳の春、豊橋に帰ってからも、しばらくは飛び込んでプールの魚を取りにいく姿を見せてくれていましたが、最近では飛び込みは観られず、ゆったり入水していたキャンディ。最後に会った2023年4月訪問時には、午前中は魚給餌の最中もキャンディだけは昼寝していました。それは体調が悪いからではなく、高齢のために活動が緩慢になっているからという説明もありました。午後からの魚給餌にはゆったり参加するなど、キャンディらしく年を重ねているのだなあと感じることが出来ました。
若くても、高齢になっても愛らしかったキャンディ、ありがとう。
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コメント
キャンディの訃報に一瞬、時が止まりました。
しかし、直ぐに受け入れている自分に時が戻りました。
キャンディは私の一番好きな白くまでした。
可愛いし、知的なキャラが魅力的な白くまでした。
なので、キャンディが自分で決めて旅立ったのなら
それでいい。と思い冥福を祈りました。
MAYUさんがデナリの旅立ちの時に感じた気持ちに近いのかな?
(違っていたらごめんなさい)
MAYUさんのお陰で円山動物園時代のキャンディを余すところなく
見てこれた事に大変感謝しております。ありがとうございました。
キャンディが天国で両親やチャッピー、デナリと再会して笑っているでしょう。
楽しかったよキャンディ。ありがとう。
クッキーの事、天国から見守ってあげてください。
旅立ってしまいましたね。只々、出会えたことに感謝しかないです。
皆限りある命、全うするその日まで、ごはんを美味しく食べて、楽しみを見つけて過ごしていってほしいです。
またクッキーに会いに行きます。
キャンディにお花を贈りに行きました。
もう会えないことは本当に寂しいですが、大きな病気などもなく、キャンディは熊生を生き尽くしたような、そんな感じがしています。
円山時代のキャンディは、若くてとても活発で可愛かったですね。豊橋ではのんびり屋の印象ですが、それも穏やかで大好きでした。
動画を見て、キャンディの幸せそうな姿を見れて寂しさが救われます、ありがとうございます!
時間が経つにつれ、寂しさが募るような気がしています。
キャンディの周囲に流れていた優しい時間、思い出されますね。
長い間、札幌にいてくれたキャンディの旅立ちは、とても淋しく思います。
色々な事が思い出されますが…、
一番勉強になった事は、雪のトンネルを掘ったり、札幌を気に入って楽しんでくれていたと思っていました、(きっとそうだったと思います…)
でも、キャンディが豊橋に戻った様子を見て、
故郷は落ち着く大切な場所なのだと気付きました。
天王寺から浜松に戻ったバフィンもそうでしたが、
それぞれの深い思いがあるのだなぁ~と感じました。
皆が幸せに過ごしてほしいですね。
北海道の涼しさ、雪のある環境の方が、ホッキョクグマにはいいに決まっている・・・
と決めつけてはいけないのだなと、気づかせてくれたのがキャンディでした。
物理的環境だけでは図れないこともありますね。
(もちろん最低限の住環境(広さ等)は必須と思っています)