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クマゲラ 3羽とも巣立ち



3羽

国の天然記念物に指定されている「クマゲラ」。
北海道と東北の一部に、生息が確認されているそう。
真っ黒な羽毛に覆われ、頭部だけが赤い。
体長は45cmくらいというから、結構大きいです。(国内で生息する中では最大のキツツキ)
広大な原生林や混合林の中で生きるクマゲラに、遭遇するチャンスは、そうそうあるものではありません。
居そうなポイントに、頑張って出かけるならいざ知らず、
まさか、こんな賑やかなポイントに、クマゲラがやって来て、
しかも、営巣するとは・・


産卵三脚

そこは、円山動物園内のアカマツ。
昨年も、クマゲラのペアがやってきて、巣作りをしかけたそうなのですが、
その時は、営巣地の候補から却下となりました。
(アフリカゾーンの工事?サル山の工事?クマゲラにとって、気に障る何かあったかな)
今年も同じ場所にやってきて、今度は営巣地に決定。(今年は近所に工事なし)
GW前には、動物園からお知らせ(写真左)の掲示があり、
営巣地から少し離れた場所に、三脚・一脚用の撮影スポットが作られました。(写真右)
営巣地周辺は、雪が解けても、そのままロープが張られ立ち入り禁止。包まれたベンチも使用不可のまま。
この機会に、一度ヒナの姿を見てみたいと思いました。

2羽

5月30日(月)
私は、5月24日から、1日のうち、短時間しか見ていませんが、
餌を運んでくるのは、オスばかり。
最初は、クマゲラの姿を見ただけで満足していましたが、
徐々に気になる存在となり、1日1回は姿を見ないと!と思うようになりました。(笑)
日中は、1時間前後で親が戻ってくることが多いようで、
じっと待ち続けたり、動物園の動物を見に行ったりの繰り返しとなりました。

メス

親鳥と違い、ヒナの瞳は真っ黒ですが、
周囲がうっすらと白くなりかけているような・・

31日

5月31日(火)
今日は3羽顔を出している姿を、撮ることが出来ました。

親子

クチバシの方から後頭部にかけて、広範囲に赤いのがオス。
頭頂部だけ赤いのがメス。
手前2羽がオスで、奥がメスですね。
お父さんが咥えているのは、虫でしょうか?
穴から顔を出しているヒナが、餌をもらえます。
みんな、がんばれ、がんばれ。

6月1日

6月1日(水)
雨の一日。
風を伴い、一時は台風か?と思えるような荒れた時間もありました。
そんな中でも、餌を運んでくる、お父さんクマゲラ。
頭から首にかけては、びしょ濡れで、首の地肌が見えていました。
がんばれ!お父さん!

6月2日

6月2日(木)
今日は朝から「寒い!」を連呼。札幌の最高気温は、12.6℃でした。
周囲の人の服装を見ると、今日はダウン率が高いです。
長期張り込みは、体力勝負ですからね。

ヤナギ

今日は、餌を与えた後、離れたヤナギの木に留まり、
時々鳴いては、しばらくの時間、滞在していたお父さんクマゲラ。
そろそろ、巣立ちの準備段階に入っているのでしょうか。

促し

明日は巣立ってしまうかも?なので、
姿を観られるのは、これが最後かも・・
そういう気持ちで、観察していました。

6月3日

6月3日(金)
朝焼けはきれいでしたが、程なく天気は下り坂。
午前中から雨のスタートでした。札幌の最高気温は、昨日同様12.6℃。
早春のような寒さなので、厚着をして出かけます。
もう巣立ってしまったかな?と、ゆっくり昼頃にやってくると、
まだ、ヒナたちはいました。
午後から雨は止み。
何度か餌運びの姿を見ることが出来ました。
餌を運んで来ても、すぐに与えるのではなく、穴の裏側に居て数十秒。
ひと呼吸おいてから、鳴いてヒナたちの目の前に現れていました。
与えた後、お父さんは離れた木に移り、そこでしばらく鳴いた後、
再び餌を探しに飛んでいきます。

飛ぶカメラ

今日は初めて、飛んでるクマゲラの姿を写してみようと思い、挑戦してみました。
どんよりとして薄暗く、空も白いので、難しいのですが、
ブレているこんな写真でも、飛んでいる静止画を見ると、こんな風に飛んで来るのか?と
改めて気づく事が出来、飛翔写真撮影も楽しくなりました。
クマゲラの営巣風景は、動物園でも記録として撮影しているようです。

6月4日

6月4日(土)
赤い部分の羽毛を見ても、数日前に比べ、随分伸びてきた気がします。
鳥の成長は、本当に早いです。
雨もパラつく日だったせいか、ギャラリーも少なめに思いました。
兄弟3ショットを撮れたのは、この日が最後になりました。

5日

6月5日(日)晴れ
開園直前、9時22分(動物園のビデオカメラの時間)に、メスのヒナが巣穴から飛び出す映像が記録されていました。
メスがトップバッターでしたね。
11時20分頃、賑やかな園内、大勢のギャラリーの中、オスのヒナが、巣立ちました。
その時間、私はホッキョクグマ舎前にいたので、巣立ちの瞬間には立ち会えませんでした。
見ていた方に伺うと、オスのヒナはすぐには上手く飛べず、地面に降り、
途中、施設の壁にぶつかったりしながらも、低空に飛び、
辿り着いた目の前の木を歩いて登り、最終的には、オオワシのケージ上空越しに、円山方面へ飛んでいったそうです。
そのオスのヒナを、追いかけていった人が、
思わぬ光景を発見。

オオワシ天井

なんと、9時22分に巣立ったメスのヒナが、オオワシケージの中にいたのです。
檻のすぐ近くにいたため、外から(矢印)カラスに尾羽根を突かれていたそう。
横からは目が細かくて入れないので、おそらく天井から入った(落ちた)のでしょう。
すぐに動物園職員の方がケージに入り、メスのヒナを保護。
動物病院にて、羽根の状態等の様子をみてもらう事に。
幸いにも大丈夫だったそうで、
18時過ぎ、親鳥が巣に戻ってきたタイミングで、巣の下で放鳥。
円山方面に飛んでいったということです。
残るは、オスのヒナ1羽。
しかし、この日は巣立ちませんでした。

6日

6月6日(月)
次の日になっても、オスは巣立ちませんでした。
昨日までは、巣穴から顔を出し、兄弟と競うように鳴いては、
「餌ちょうだいアピール」をしていましたが、
競う相手がいないせいか、あまり鳴かなくなってきました。
親が来ても、顔すら出さない時もありました。
そんな様子を見て、心配になる声も聞こえましたが、
ヒナは時々は、外に顔を出していたので、大丈夫そうです。
(鳴けば、カラスに狙われるリスク有り)
瞳の周りが白くなってきました。

親6月7日

6月7日(火)
今日もオスのヒナは巣立ちせず、昨日と同じような状況が続きます。
親鳥は、巣穴の中に完全に入り込み、ヒナにエサやりをして?から、
外に飛び出していきました。(写真)
6月7日(火)の様子です。
6月8日(水)雨。
円山動物園の休園日。
なので、見ているのは、定点カメラだけになります。
マサイキリンの移送の予行練習が行われ、映像チェックもままならない多忙な1日だったそう。

親9日

6月9日(木)
お父さんクマゲラが、サル山近くの木にやってきては、時々鳴いたり、
巣穴を覗きに来たものの、ヒナは1度も姿を見せず。
もはや巣立ったか?  動物園からの発表を待つのみ。
現在、映像チェック中とのこと。
午後からは、いつものギャラリーもゼロとなりました。

お知らせ10日解除

6月10日(金)
6月8日(水)の4時46分に、オスのヒナが巣立ったと発表されました。
立ち入り禁止のロープは外され、ベンチのブルーシートも外され、
通常通りの風景になりました。
営巣中に落ちることなく、無事に巣立つことが出来て、本当によかったです。
巣穴から飛び立てば、危険がいっぱいで、厳しい野生下。
生き延び、また命を繋いでくれたらなあと思います。
クマゲラは、再び同じ場所で、営巣する事もあるそうですが、
穴を開けられたこのアカマツは、倒木の危険もあるわけで・・
今後は、樹木医の診断を受け、場合によっては伐採される可能性もあるようです。
巣立ち直前の数日しか、観察は出来ませんでしたが、
シジュウカラ、カラスと比べてみては、違う所、同じ所を発見することが出来、
いい勉強になりました。

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