動物園センター情報ホールにて、
13時30分から、飼育員カフェ(円山のオオカミたち)が開催されました。
定員は先着40名ほど。
みなさん、あけましておめでとうございます。
「飼育員カフェ」 今日の主な内容は、
・ほんの少しの干支ばなし
・オオカミたちの健康診断 (メイン)
・ここの場所は・・・・?
シンリンオオカミは、2017年10月より、飼育担当者が2人体勢になり、
今まで以上に、手厚くケアできる環境になっている。
『本題』
①ほんのちょっとの干支話(約1分)
2018年は、戊戌(つちのえいぬ)。
②個体紹介
ジェイ 2005年4月25日生まれ
ルーク 2010年5月14日生まれ
ショウ 2011年5月9日生まれ
ショウと同日生まれのユウキは、現在、とくしま動物園へ移動している。
オオカミは、厳格な順位付けがされている。
ユウキは、アルファオスのジェイに対し、反抗する行動が見え始め、
服従する行動も見られなくなり、
2、3日後には、闘争が見られ、ジェイは顔にキズを負った。
そのため、ユウキは分けて飼育するに至った。
その後、とくしま動物園へ移動。
そのあとに、今度はショウが、兄のルークに少しずつ歯をむき出すようになる。
尻尾を上げ、毛を逆立てる行動が見られ始め、
ルークが攻撃を受けるようになったため、ショウを分けて飼育するに至った。
現在は、ジェイ+ルークと、ショウは、交代展示をしている。
今の施設では、繁殖させ、群れの飼育展示は難しい現状である。
現在の3頭が亡くなった後は、どうするのかも課題。
健康診断は、1年に1回行っている。
ジェイは高齢の域に入っていたので、今後は麻酔下での健診は難しいかも?
今後は、どのように健診するのか、獣医師と相談している最中。
4つのケージの前に、ヒーターが2個置いてあるのは(黄色矢印)、飲み水を凍らせないため。
スクイズケージは、奥から手前に壁が迫ってくるような仕組み。
オオカミを手前に寄せてから、麻酔をかける。
オオカミの健診の様子を動画で公開。(50秒ほどの動画)
2017年9月28日に実施した、ショウの健診の様子。
オオカミに負担をかけず、短時間で済ませるために、事前に打ち合わせして始める。
結構な体重があるので、3人でオオカミを持って移動させる。(頭1人、両前足1人、両後ろ足1人)
現在のルークは、左目がドライアイになっていて、白くなっている。
ルークは、2014年あたりから、右目も腫れてきていた。(緑内障)
ルークの目の検査の様子を動画で公開。(1分25秒くらいの動画)
ルークから取った血液を、遠心分離機にかけて、血清を取り出して、点眼する。
血清もいずれなくなるので、代替として、
シクロスポリンにオリーブオイルを混ぜ、少し柔らかくしたものを、点眼する。
点眼の様子を動画で公開。(1分10秒程の動画)
合図を出すと、ルークは伏せて、舌を出してくる。
餌に集中している間に点眼し、
舌の上に餌をのせてやる。
百発百中。(^^)
血清の中には、成長因子等、微量な成分も入っており、
それにより、角膜のキズの治りを早くする効果が期待できる。
④ここの場所は・・・
札幌市白石区のとある場所。
明治10年、エゾオオカミのオスが昼寝していたところを、火縄銃で打ち捕獲した、
その場所がしるされた場所がある。
現在、そのエゾオオカミは、標本となり、北大植物園内の博物館にある。
エゾオオカミは、明治20年頃に絶滅してしまったと考えられる。
以上、約35分程の飼育員カフェタイム。
短めにわかりやすくまとめられ、
ルークの点眼の様子も、とても興味深かったです。
動画中では、簡単に点眼されているようでしたが、
そこに至るまでには、日々のトレーニングがあればこそだと思います。
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