(エゾヒグマ とわ(メス))
動物園では安定して餌をもらえるので冬眠はしない・・と言われるのですが、その例外を見事に教えてくれる、円山動物園のエゾヒグマ『とわ』(メス/15歳)です。今年に入り、そういえば見るのはいつもオスのダイばかりで、久しくとわの姿を見ないなと思ったら、1月中旬くらいから冬ごもりを始めたそうです。
昨年末くらいから、とわの食べる量が少しずつ減ってきたので、給餌量もそれに合わせて少しずつ減らしていったところ、1月中旬ごろから籠もり始めたそうです。
とわが冬眠(冬ごもり)しているのは、寝室の奥にある産室の中。中には乾草が敷かれており、とわは時々乾草をかいて整えながら、寝ていることが多いそうです。1月中は、寝室に1kgくらいの餌を用意すると、産室からとわのタイミングで寝室に出てきては、少し食べる様子も見られたそうですが、2月中旬になると、さらに深く眠るようになってきたそうで、最近は餌を置かない日もあるとか。
オスのダイには冬眠しそうな行動は見られず、交替なしの通常展示が継続されています。
とわは2018年の冬にも同様な行動が見られ、昨年度にも冬ごもりをしていたそうです。
(エゾヒグマ ダイ(オス))
冬眠する個体としない個体があるというのも興味深いですね。
一般的にクマの冬眠中は、代謝、心拍数、呼吸数が下がり、省エネモードで何も食べず、排泄・排尿もないと言われています。冬眠するほ乳類は、同じくらいの大きさの冬眠しないほ乳類よりも長生きするとも言われており、とわがどれだけ長生きしてくれるか?など、動物園で見るこの自然な行動もとても意味のあるものだなあと感じます。
ちなみに、円山動物園で以前飼育されていたエゾヒグマの栄子は、冬眠をしていませんでしたが、41歳という当時国内最高齢まで生きました。
とわが冬眠から目覚め、姿を見せてくれるのはいつごろでしょうか?
人間が数ヶ月も横になっていたら、筋力はかなり落ちるところですが、冬眠クマは20%くらいしか落ちないそうです。
冬眠から目覚めた直後のとわは、それほど速くは走れないかもしれませんね。(いや、意外に速く走ったりして?)ちょっとぼんやりしたようなとわにも会ってみたい気がします。
今は、ダイ(オス/12歳)が雪の中に隠された餌を探しつつ、元気に活動中です。
とわの姿は見られませんが、今年はスノーフェスティバル中に作られたクマの雪像が見られます。そろそろ一部が壊れ始めていますが、もう少しだけ見られるかな。
エゾヒグマは北海道で身近な野生動物ということもあり、エゾヒグマ館のサインは、随時内容が更新されています。現在貼られている内容です。
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