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ホッキョクグマ「デナリ」の訃報

体調の状態がわかってから2週間、デナリは思いの外早くに旅立ってしまいました。
札幌市円山動物園のホッキョクグマ「デナリ」(オス/29歳)が、2023年9月5日(火)19時17分頃、屋外放飼場で亡くなっているのが確認されました。当日は閉園時間まで通常展示されており、ギリギリまで気丈に動物園の動物として使命を果たしたような、まっすぐなデナリらしい幕引きだったのかなと思わずにはいられません。ララとの間に8頭の子を誕生させた功績は多くの人が知るものですが、それ以外の何気ない生活の中で見せる、愛嬌、強さ、そのルックスに魅了されるは人は数知れず。同じ時代の同じ時間を過ごせたことに心から感謝しています。

円山動物園HP ホッキョクグマ 「デナリ」が死亡しました

訃報を知ることになった9月6日(水)の朝。
あと7分で開園時間という時に、円山ZOOガイドの今日のメニューが貼り出されるのが見えました。

続いて、今朝は別な紙も貼り出されたのです。え・・・
8月24日(木)に行われた検査結果の報告から、覚悟はしていましたが、早いよ、デナリ・・
同時にそれほどまで早く悪化していたのかと思うと、辛いのなら長引かない方が良かったのか?と複雑な心境になりました。

デナリは7月頃から少しずつ微妙な変化を見せていました。食欲のムラ、体型の変化、プールに長く浸かっているなど・・今まででもあるといえばあることなので、一時的な体調不良で、回復してくれたらいいなあと思っていました。
写真は7月10日のデナリ。目立ったお腹の張りも見られず、食欲もあり、いつものデナリに見えました。

7月中旬頃からお腹の膨らみが目立つようになり、8月になると、初めて見るお客さんからも「お腹大きいね(妊娠中のメスのつもり発言)」という声もよく聞かれるようになっていました。ただの肥満ならいいのにと思ったものですが、デナリの歩行の様子から関節炎も疑われ、随時痛み止めを処方されながら、しばらく経過観察されていました。

8月19日(土) 麻酔下での検査を行うことを発表
8月24日(木) 検査実施 エコー検査のためお腹の毛を一部剃られました。腕や首の毛は採血のため。
円山動物園HP ホッキョクグマ「デナリ」の検査結果について

検査中(左)、検査後(右)に掲示された、お知らせとおねがい。

予後は悪いという、とても重く厳しい検査結果となってしましたが、デナリらしく、より穏やかに過ごせるよう、行動はあまり制限せず、自由に過ごしてもらい、肝臓を保護する薬、痛みが生じた際の鎮痛薬、飼育員さんたちのケアなどで支えてもらっていました。

亡くなる当日(9月5日)は、広い屋外放飼場への扉は閉鎖され、檻マスの中のプールにずっと浸かっていたデナリ。朝に吹き矢で鎮痛薬を投与されていたようで、効いていたと思いたいです。

夕方にプールから出たデナリは、檻の中を少し歩き回ったり、寝室に入ってみたりしたそう。
最近の夜間のデナリは、屋外のウッドチップの上で寝ていることが多いそうで、いつものように寝る準備に入ったのでしょうか、しばらくチップの上で座っていたそうです。

その後デナリは頭を南側に向け、眠るようなかたちで息を引き取ったということです。
19時17分ごろ、死亡確認。
デナリは最期まで偉大なホッキョクグマだと思わせてくれる、素晴らしい存在でした。

翌朝デナリ舎前には訃報が掲示され、15時ごろ動物病院から病理解剖のため北大へ。
その結果は後日発表されると思います。

 

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コメント

  1. ホワイト家母 より:

    知ってからボウッとした1日。検査前行った時の辛そうなデナリを見て覚悟必要かもしれないと
    思いましたが (円山ポッカリ大き穴空いちゃったな…)。
    アメリカに帰った…いや北極行く事になったと言うことにしようと。
    一晩過ぎて、MAYUさんの見て読んで、また胸がつまりました。

    デナリを濃密に記録してきたMAYUさんにはどんなにか辛い気持ちでしょうね。
    年に1~2回しか行けないのが幸いかもしれない、ずうっとあそこにデナリがいるままなので。

    結構な老年になった人間の私は、最近のデナリを見てこんな風に生きていけるかな…無理だよね
    変な表現ですが神々しさみたいなのを感じていました。
    こうやって教えてくれてるのですね、動物たち。

    • MAYU MAYU より:

      正直に言えば、現実逃避したい感覚なのですが、
      映像を編集したり、ブログで言葉を紡ぎながら、気持ちを整理しているところもあります。
      「亡くなってしまった」と思うと悲しい感情が湧いてきてしまうけれど、
      「別なところにいった」と思えば前向きにコントロール出来そうです。
      兎にも角にも、デナリは凄いホッキョクグマでした!

  2. ホワイト家母 より:

    追伸 これからもMAYUさんの動画でデナリの時報聴けますよね!?

  3. OSAKUMA より:

    デナリが旅立ちました・・・
    回復への祈りと同時にデナリの耐えてる姿が胸を締め付ける
    そんな9月の日々でした。ただ、急でした。
    個人的な思いですが、ホッキョクグマのデナリの尊厳は守られ、実行されたと
    思っています。動物は自分の死期を知り自然の摂理の中で実行すると思います。
    デナリが5日の閉園時間迄、苦しいのに気丈にしている姿に・・・
    閉園後にウッドチップの上で眠るように・・・
    偉大なる男デナリはやはり偉大でした。
    悲しみに涙しましたが、ツヨシと一緒だろうしララファミリーを見守っている事でしょう。
    デデデ、デナリ~♪ デナリさんありがとうございました。

  4. あっちっち より:

    MAYUさん、ご無沙汰しております。
    久々のコメントがデナリの訃報・・

    なんだろう・・1つの時代が終わったような空虚感を覚えます。
    そうですね・・別のところに行ったと思いましょうか。
    きっとそこでフォッフォと美声を轟かせていてくれていますよね。

    本当に偉大な父でしたね。
    本当に愛嬌のある父でしたね。
    絶対忘れない。

    もう感謝しかないです。
    デナリ、どうか安らかに。

  5. きょんちん より:

    ふとしたきっかけでホッキョクグマに興味を持ち、検索してララを知り、もっと調べていく内にこちらの「しろくまにっき」にたどり着き、動画も全てさかのぼって拝見させていただきました。「ララに会いたい、デナリに会いたい、もちろんリラにも会いたい」と思いましたが、時はコロナ真っ盛り。本州の西の端に住む私は北海道までは行けませんでした。が、今年になり何とか目処が付いたので、10月2日から4日間の予定で飛行機もホテルも予約しました。
    何とかそれまでもってくれれば、との願いは叶わず6日の朝デナリの訃報・・。

    会いたかったなぁ。 

    当日はデナリに感謝を伝えに円山に行ってきます。デデデ デナリィと歌いながら。

    ホッキョクグマの魅力を教えていただきMAYU様には感謝しかないです。
    これからも拝見させていただきますので、よろしくお願い致します。

  6. キルビル より:

    デナリ、先日お会いした時に「その日」は近いであろうと覚悟はしていました。
    あなたはその姿をあえて我々に晒すことで「目を逸らさずによーく見とけよ、オレの生き様・死に様を」と伝えてくれていたのですよね?
    見事な最期であったと思います。
    私は盛大な拍手をもってあなたを見送ります。
    ありがとう、私をホッキョクグマの沼へと引きずり込んでくれた偉大なる父よと!
    どうか安らかに。

  7. ぼの より:

    MAYUさんもお辛いにも関わらず丁寧に経緯をお伝えくださり、本当にありがとうございます。
    急でしたね。まさかこんなに急いで旅立ってしまうとは。デキる男、デナリ。カッコよすぎです。。次回、円山に伺うとき、どんなに寂しいことか!でも行きます。生きていてくれている仔たちと少しでも時間を共有しておくために。その時間の貴重さにも気づかせてくれました。
    ずっと忘れないよ、デナリ。長い間迎えてくれてありがとう

  8. さいたまちゃん より:

    開園と同時に円山動物園の長い坂道を歩いて一番奥のホッキョクグマエリア.デナリおはようと挨拶したのが6月のこと.プールに入り淵に顎をのせてまどろんでいましたね.それが最後になるなんて.淋しくてたまりません.天国では娘のツヨシちゃんと再会できますよね.
    デナリ君ありがとう.MAYUさんブログありがとうございます。

  9. らりっくま より:

    円山に行くといつも当たり前のように出迎えてくれたデナリ。体調をくずしてからは、訪問して下さる方々の動画を拝見し、デナリの様子に一喜一憂しながら祈る毎日でした。今、改めて失った悲しみの深さ、存在の大きさを感じます。デ・デ・デ・デナリ♪の動画もリピートして曲が頭から離れません。MAYUさん、ありがとうございます。

  10. 0119 より:

    MAYUさま
    デナリの訃報、悲しくて寂しいです。
    このブログを通じて、ララとデナリの事を知り、こんなに美しくて優しいホッキョクグマを長年に渡り、拝見する事が出来ました。

    特に二人の愛のある表情や行動に何度も心癒され、救われていました。

    男気のあるデナリと優しいララのカップルが大好きでした。

    最後の最後まで一生懸命に生き抜いたデナリが安らかに眠ってくれることを祈ります。

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