(Kiroru the Polar Bear, male 15 years old, Kushiro City Zoo, 2024.05.02)
大変残念なお知らせに胸がつまります。釧路市動物園のホッキョクグマ キロル(オス/15歳)が、2024年11月8日(金)午前に亡くなったとのことです。お知らせによれば、10月中旬頃から食欲不振がみられていたようで、それ以前に何も兆候がなかったのなら、体調不良が疑われてから半月ほどで亡くなってしまったということで、キロルの体にどんな異変が起こっていたのだろうかと、驚きや悲しみでいっぱいになります。受け入れ難い現実ですが、今はただ安らかなる冥福を祈るばかりです。死因については判明後にお知らせがあるそうです。
※2024年11月11日に発表された死因は、急性壊死性筋膜炎および敗血症(外傷に起因する細菌感染により急性の壊死性筋膜炎を発症し敗血症のショックを誘引したもの)でした。
釧路市動物園HP ホッキョクグマ「キロル」について
2008年12月9日 札幌市円山動物園生まれ (父デナリ 母ララ) イコロ(上野動物園)は同腹兄弟
2010年2月21日 おびひろ動物園へ移動
2011年3月6日 浜松市動物園へ移動
2016年4月13日 釧路市動物園に移動
2024年11月8日 死亡 (享年15歳)
日本各地でファンを魅了した人気者のホッキョクグマでした。
釧路市動物園では、2023年3月1日にミルク(メス/享年10歳)が亡くなり、今回キロルが亡くなったことで、ホッキョクグマは不在となりました。
釧路市動物園では、パクパクタイムという給餌の時間がありますが、その時には、プールに投げ込まれる餌を泳いで取りに行き、パクパク食べる様子が人気でした。
両耳を掻いたり、立ち上がったり、スリスリしたり、砂にまみれたり、お約束のポーズがいくつかあり、幼いころから愛嬌たっぷりのキャラクターでした。
札幌市円山動物園で生まれたキロル。
真っ暗な寝室から、キロルとイコロが生まれて初めて外に出たのは、2009年3月16日のこと。
テレビで見る野生のホッキョクグマは、真っ白な親子が巣穴から出てきますが、ララ・イコロ・キロルは真っ黒(茶)でした。双子がやんちゃ過ぎて、ララのケアも追いつかずという結果でしょうか。想像していたイメージとはギャップがありすぎて、驚いたやら、可笑しいやらでした。
元気過ぎるオス2頭にお乳を与える菩薩のようなララ(当時14歳)。
双子が飲む位置は、ほぼ固定していることを教えてくれたのも、イコロとキロル。
(一方が離れれば、そちらも頂くことがあります)
屋外に出始めてすぐの時は、まだ電気柵が張られておらず、青い碍子のところまで興味津々で近づいていたキロル。
ララに「ファッ、ファッ」と呼び戻されます。
素直に戻るキロル。
幼い個体は、カラスの洗礼を受けやすい。(キロル)
プールデビューも日も、やっぱり茶熊で登場していた朝。
双子の愛称は「イコロ」と「キロル」。アイヌ語でイコロ=宝物、キロル=道という意味。
2009年のことなんてまだ記憶に新しく、この間のことのように思い出せるのに・・
少し短かったけれど、楽しく生きられたかな。
2024年は、神戸市立王子動物園のミユキ(1月13日没 享年33歳)、豊橋総合動植物公園のキャンディ(4月26日没 享年31歳)、釧路市動物園のキロル(11月8日没 享年15歳)の3頭が亡くなり、現在の国内のホッキョクグマ頭数は28頭(オス9頭、メス19頭)となってしまいました。
釧路市動物園でのキロルの個体紹介。
釧路市動物園が開園したのは1975年。開園に合わせて来園したホッキョクグマが、タロ(オス)とコロ(メス)でした。ホッキョクグマ舎前には、その2頭の繁殖記録が紹介されていました。
1990年12月18日 3つ子誕生(父タロ 母コロ)
アイス(オス)→王子動物園へ 2015年5月21日死亡
オーロラ(メス)→東山動植物園へ 2016年12月8日死亡
ポウラー(メス)1991年4月22日死亡
1996年12月26日 クルミ(メス)誕生(父タロ 母コロ)→男鹿水族館へ 2018年1月28日死亡
クルミが出産したミルクとキロルとで、次世代の繁殖を期待していました。
既出の映像です。生後10ヶ月時のキロルの鳴き声と、7歳の鳴き声です。
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コメント
キロルの訃報に驚きと悲しみで・・・
16歳目前の短い熊生だったけど、8人兄弟姉妹の中で最も色んな経験をしているのではないでしょうか。
男の子なのにララに一番似ている(個人的な感想)キロルを見ていると和んでいました。
残念ではありますが、キロルさんのご冥福をお祈りいたします。
キロルありがとう。
かわいいイコキロを育てているララ、その親子に見入ってシロクマ好きになりました。
(はるか昔にちびコタロウを見てはいるのですが)
もうちょっと倍とはいかなくても元気でいて欲しかった、若いのにな… かなしくてさびしい。
初めてホッキョクグマの赤ちゃんを見たのがイコキロで
その愛らしさにすっかり魅了されて毎週のように円山動物園に通いました。
帯広にも浜松にも会いに行きました。
キロルが大好きでした。
釧路に戻ってきてからは会いに行けなくていつかいつかと思っていたら
まさかこんなに早く逝ってしまうなんて。
mayuさんのブログにはたくさんのキロルがいて本当にありがたいです。
今知りました。まだ若いのになんともやるせないです。
聞いたことのない病名で急性とのこと。細菌が入ったのでしょうか?
こちらの動画でホッキョクグマの魅力に取り憑かれ、それがイコロとキロルの双子でした。イコロは親分肌で、キロルはおっとりしたように見えましたが、凍った階段は平気で降りてましたね。
本当に寂しいです。デナリと天国で会えてるかな?